狐の神様・玉藻が営む和菓子屋『春寿堂』。そこで名月が働き始めてから季節はひとつめぐり、また春が訪れようとしていた。ところが訪れたのは春ではなく、春を呼ぶ季節の化身。彼女の機嫌を取らないと、高野山は永遠の冬に閉ざされてしまうらしい。案の定、名月はその大役を玉藻に押しつけられて、献上品として難しい上生菓子作りをするはめに。これにはさすがの名月も万事休す!?「心配なかろ。全ては縁の結び目故。お主なら見事、春を呼べるさ」名月の和菓子はご縁を広げ、新しい季節を紡げるだろうか-?
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