先行きの見えない不況のなかで、「会社のため」「利益のため」に、自分も家族も、まわりの人間も目に入らないような過重・過密な働き方を続けることに多くの人たちが疑問を持ちはじめています。また、企業倒産やリストラにあった人たち、就職しない若者たちなど、市場の周縁で自分にあった働き方を懸命に模索している人たちも多数います。本書では農村の女性たちの長年の経験や知恵を活かした仕事起こし、倒産企業で働いていた仲間たちの労働者事業体の立ち上げ、山間の町の職人たちと新住民たちによるスロータウンの試みなど、各地の現場の丹念な取材をもとに、人間が大事にされる働き方を求めて、その考え方や実現のしかた、難しさも含めて紹介していきます。
「BOOKデータベース」より