冥王星の存在を予知するなど著名な天文学者ローエルが、日本の研究家であったことは、あまり知られていない。4回の来日をなし、4冊の著作をニューヨークで出版した。このNOTOは、能登半島の形に魅せられ上野から往復旅行をした時の紀行文である。明治中期、日本の地方の人びとの考え方や暮らしぶりが、ローエルの真摯かつ洒脱な視点で甦る。この度、紀行文にローエルが撮影した日本の人びとや風景の写真ガラス版が、アメリカのローエル天文台で発見されたのを機に、これらの貴重な32葉をグラビアとして加え、新装にて刊行。文学・写真愛好家のみならず、近代日本史、民俗学の研究者も必携の書。第17回日本翻訳文化賞受賞。
「BOOKデータベース」より