悪名高いスレブレニッツァ大虐殺の現場は、酸鼻を極めた。殺戮を任務としてこなしながら、法廷では白を切る軍人たち。美しい山あいの町フォチャには「レイプ収容所」が作られた。数多の女性を蹂躙しておいて無罪判決を疑わない兵士たち。法廷は彼らを、さらに首謀者としてのミロシェヴィッチを、ジェノサイドの罪・人道に対する罪に問うことができるのか?そして、法廷の思想が結実した常設の国際刑事裁判所ICCはそれに異を唱えるアメリカに対して強制力を持ちうるのか?司法と平和の新時代の胎動を伝える。
「BOOKデータベース」より