社会分業論 : 2篇  (前篇)

デュルカイム 著 ; 井伊玄太郎 訳

[目次]

  • 標題
  • 目次
  • 第二版序文 職業的團結に就ての注意 / 1
  • 第一版序文 / 43
  • 序論
  • 社會分業の發展と此の現象の一般性。その結果として考へられねばならない問題は、吾吾は此の分業的運動を放棄し又は此に反抗しなければならないかどうか、つまり分業の道德的價値の問題である。此の點に關する道德的意識の不確定。同時に與へられてゐる相反する解決策。此の不決定を除く方法。分業をそれ自身に於て且つそれ自身の爲に硏究する。本書の計畫 / 53
  • 第一編 分業の機能
  • 第一章 此の機能を決定する方法
  • 機能と云ふ言葉の意味 / 65
  • 一、分業の機能は文明を生起することではない / 66
  • 二、分業の機能が、分業なくしては存在しないであらうところの諸集團を出現せしめることである場合。その結果として容認さるべき假說は、分業が高級社會に於ても同一の役割を果すものであり、分業が其等社會の結成の主要源泉であるといふことである / 72
  • 三、此の假說を證明する爲には、此の源泉を有する社會的連帶を他種の諸連帶と比較し其等を分類せねばならない。法律上の諸規則の體系を通じて連帶を硏究するの必要、法規の種類と同數の連帶形態が存在する。法規の分類、禁止的法規と原狀囘復的法規 / 83
  • 第二章 機械的連帶又は類似による連帶
  • 一、禁止的法律に照應する連帶の連鎻は此の破壞が犯罪を構成するものである。されば本質的に犯罪が何であるかを知るならば、此の連鎖の何たるかは知らるゝのである。犯罪の本質的諸特性は、如何なる社會類型に於てにせよ犯罪が存在するところには何處にも同一性質のものとして見出されるものである。蓋し、犯罪として認められ又は認められて來てゐる凡ての犯罪に共通なる特性こそは次のものである。(一)犯罪は何れの社會にせよその社會の凡ての正常的個人に於て見出さるる感情を冒瀆してゐる。(二)斯かる感情は强烈である。(三)斯かる感情は確定してゐる。犯罪はされば共同意識の强烈にして確定せる諸狀態を冒瀆する行爲である。此の命題の正確なる意味。罪が統治器官の作用によつて作られ又は少くとも重大ならしめられる場合の吟味。上述の犯罪の定義に此の場合を歸屬せしめること / 91
  • 二、此の定義の證明。若し此の定義が正確であるならば、其は刑罰の凡ての特性を考慮に入れてゐなければならない。此等特性の決定。(一)刑罰は種々の段階の强度に彩られたる激情的反動である。(二)此の激情的反動は社會から出現してゐる。私的復讎が刑罰の原始形態であるとなす理論の反駁。(三)此の反動は組織體を通じて行はれる / 112
  • 三、以上の諸特性は吾人の犯罪の定義から演繹され得る。(一)冐瀆されたるあらゆる强力なる感情は機械的に激情的反動を決定する。此の反動が此の感情の支持に對して有する效用。最も强烈なる共同的感情は其が强烈であればある程精力的な此の種の反動を決定する。滅罪の準宗敎的特性の說明。(二)斯かる感情の共同性は此の反動の社會性を說明してゐる。此の反動が社會的であることが有用なる所以。(三)斯かる感情の强度、殊に確定性は反動が行はれる確定器官の形成を說明する / 127
  • 四、されば刑法が制裁する諸規則は至本質的な社會的類似を說明してゐる。從つて刑法は類似から由來する社會的連帶に照應してをり此の連帶と同樣に變化して行く。此の連帶の性質。されば此の連帶が社會の一般的統一化に於て有する持分は法規の全體系に於て刑法が代表してゐる部分によつて計量され得る / 138
  • 第三章 分業に因由する連帶又は有機的連帶
  • 一、原狀囘復的制裁の性質は次のものを含む。(一)此の制裁に照應してゐる諸規則は共通意識の中心部分から遠ざかつてをり又は此に無關係な諸狀態を說明する。(二)此の規則が決定してゐる諸關係は間接的にのみ個人を社會に結合する。斯かる關係は積極的でも消極的でもある / 145
  • 二、消極的關係の典型は物權である。物權は其が人間相互をではなく、物を人間に結びつけてゐるが故に消極的である。物權の行使の、次では輕罪及び準輕罪の場合に設定されてゐる人的關係を此の典型に歸屬せしめること。物權上の法規が表明してゐるところの連帶は消極的であつて本來の存在を有してゐるものではなく、社會的連帶の積極的形態の一延長に過ぎない / 150
  • 三、分業から由來してゐるところの積極的關係、つまり協同。此は協同的法律と呼ばれ得るところの法規の一定の體系によつて支配されてゐる。協同的法律の種々なる部分に關し、此の命題の證明。此の法律の機能と神經系統の機能との類似 / 158
  • 四、結論。積極的連帶の二種、一は類似から他は分業から由來してゐる。機械的連帶と有機的連帶。前者は個性に逆比例して變化し、後者は此に正比例して變化する。前者は禁止的法律に、後者は協同的法律に夫々照應してゐる / 167
  • 第四章 以上のものに就ての他の立證
  • 以上の結果が正確であるならば、社會的類似がより大であればある程且又分業がより初步的であればある程、禁止的法律は協同的法律よりもより優位にあるに違ひない、此の逆も亦眞である。蓋し事實さうである / 172
  • 一、社會がより原始的であればある程、個人間の類似卽ち肉體的類似はより大である。此に對する反對說は共同的(國民的、地方的等)類型と個人的類型とを混同することから生ず。共同的類型は個人的類型が增大し且つ際立つに反して消滅して行く。他面、分業は起源に向つてゞはなく起源から發展し續けて行くのが常である / 172
  • 二、蓋し、起源に於てはあらゆる法律は禁止的特性を有してゐる。原始民族の法律。伯希來法律。ヒンヅウ法律。羅馬及びキリスト敎的社會に於ける協同的法律の發展。今日では原始的關係は逆になつてゐる。禁止的法律が原始的には優勢であるのは慣習の素朴さに原因してゐるのではない / 178
  • 第五章 有機的連帶の漸次的優勢とその結果
  • 一、禁止的法律に對して協同的法律が現實に優勢であるといふことは分業に起因する社會的連鎖が社會的類似から生ずる其よりも事實上多數であることを示してゐる。此の優勢は高級なる社會類型に近附くに從つてより顯著なるが故に、其は偶然なものではなくして此の社會類型の性質に起因してゐるものである。その社會類型の社會的連鎖は啻により多數であるのみならずより强力でもある。社會的連鎖の相對的力を計る基準。此の基準の適用 / 190
  • 二、社會進化が進むに從つて、分業に起因する社會的連鎖は强さを減ずると同時に類似に因由する社會的連鎖も弛緩して行く。機械的連帶は次の三條件に依存してゐる。(一)共同意識と個人意識の相對的大いさ。(二)此の二者の强度。(三)共同意識を構成してゐる諸狀態の確固性の度合。蓋し以上の第一條件は不變に留る位が精々であり、他の二條件は減少す。犯罪的諸類型の數的變化によつて此を立證する方法。犯罪類型の分類 / 197
  • 三、多數の犯罪類型の漸次的減少と消滅 / 203
  • 四、此の損失は他の獲得によつて補はれてゐない。ロンブロゾオの反對說、此の駁論。されば共通意識の强力な且つ確定的な諸狀態の數は減少してゐる / 214
  • 五、別の證據。特に强力なる共通意識の諸狀態は宗敎性をとつてゐる。蓋し宗敎は社會生活の常により小なる部分を抱擁してゐる。別の證據としては格言や諺等の減少である。されば有機的連帶は優勢になつてゐる / 219
  • 第六章 有機的連帶の漸次的優勢とその結果(續)
  • 一、社會構造はこの二種の連帶に照應してゐる。環節的類型とその叙述、此は機械的連帶に照應してゐる。その雜多なる形態 / 226
  • 二、有機的類型とその諸特性、此は有機的連帶に照應してゐる。此等二種の類型の對立。有機的類型は環節的類型が消滅するに從つてのみ發展する。但し、環節的類型は完全に消滅はしない。此の類型がとるところの益々消滅し行く形態 / 236
  • 三、社會類型の此の發展と動物界の有機的類型の發展との類似 / 248
  • 四、上揭の法則は軍事的社會と產業的社會に關するスペンサア氏の說と混同されてはならない。個人が社會に本來沒入されてゐる事實は極めて强力なる軍事的集中から來てゐるのではなくして、あらゆる集中の缺如から由來してゐるのである。集中的組織は個化の始まり。前述せるものからの諸結果。(一)方法の規則。(二)利己主義は人類の出發點ではない / 251
  • 第七章 有機的連帶と契約的連帶
  • 一、有機的連帶とスペンサア氏の產業的連帶との區別。後者は排他的に契約的であつて、其はあらゆる規制から自由であるだらう。斯かる連帶の不定性。スペンサア氏によつて與へられたる證據の不充分。社會活動の擴がりを示してゐるものは法律的設備の擴がりである、蓋し、其は常に增大して行く / 259
  • 二、契約關係が發展することは眞實である、だが非契的關係も同時に發展する。分散的社會的機能に關して此の事實の檢證。(一)家族的法律はより擴がりより複雜になつて行く、蓋し原則として其は契約的でない。加之、私的契約が其處に有してゐる局限せられたる場處は常により小になつて行く。結婚、養子、家族の權利義務の放棄。(二)契約が大なる場處を占めれば占める程、其はより規制される。此の規制は積極的社會活動を含む。此の規制の必要。スペンサア氏の依據せる生物學的類推に就ての議論 / 267
  • 三、社會有機體の腦脊髓的機能(行政的且つ統治的機能)に關して同事實の檢證。何等契約的なものを有せざる行政法と憲法は益々發展する。スペンサア氏が此とは反對の意見を基礎づけてゐる諸事實に就ての議論。環節的類型の消滅と有機的類型の進步による此の發展の必然性。生物學的類推はスペンサア氏說に矛盾してゐる / 284
  • 四、第一編の結論。道德的且つ社會的生活は二重の源泉から由來してゐる。二つの流れの逆行的變化 / 292

「国立国会図書館デジタルコレクション」より

この本の情報

書名 社会分業論 : 2篇
著作者等 Durkheim, Émile
井伊 玄太郎
デュルカイム
書名ヨミ シャカイ ブンギョウロン
書名別名 Shakai bungyoron
巻冊次 (前篇)
出版元 理想社出版部
刊行年月 1932
ページ数 2冊
大きさ 23cm
全国書誌番号
53015406
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言語 日本語
出版国 日本
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