矢田津世子, 藤沢桓夫, 上司小剣 著
想像力で食べたこともない旨そうな食べ物の話をし、雑誌に記事まで書いていた夫。役所の戸籍係だった亡夫を「食べもの」で回想する矢田津世子の『茶粥の記』(ほか一篇)。一代で財をなした稀代の吝稟家がはじめて客をまねいた珍妙な茶会(藤沢桓夫『茶人』)。商売は家の者に任せきりで金の無心ばかりしてくる夫。妻は苛立ち、家族の手前、恥ずかしくてならないが…。道頓堀の夜景ににじむ夫婦の情が愛しい上司小剣の『鱧の皮』。食べものの思い出が織りなす、味わいの四篇。
「BOOKデータベース」より
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