由井正臣 著
軍部はいかなる問題意識で国民を動員していったのか。本書は、日本近代史の根幹に関わるこの主題に関わり、軍部の政治勢力化の過程と国民組織化の動態を、第一次史料を駆使しつつ先駆的に解明してきた著者の遺著である。とりわけ日清・日露戦争を画期とした日本帝国主義成立期における軍部の政治勢力化のダイナミズムを考察した点、総力戦体制構築に向けて軍部による国民精神動員が、在郷軍人会や青年団等に依拠しながら進められたプロセスを明らかにした点で、その学問的意義は今も失われていない。
「BOOKデータベース」より
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