和算には計算がよく似合う。幾何図形の問題でも、等しい関係を論証するよりはじっさいに面積や長さを計算してしまう、手を使う数学である。関孝和や建部賢弘、有馬頼〓(ゆき)、松永良弼などおよそ50人の和算家が格闘した、円周率を求める問題、大小の円で三角形や大円を充填する図形問題、高次方程式の根や常用対数の数値計算問題の3つの部門から、専門的なものを除き、初級者も手を動かして後をたどれるようなわかりやすい問題を精選。和算の特色がよくうかがえるその解き方をていねいに解説し、現在から見た評価も加える。和算の実際を知り、親しむための格好の問題集。
「BOOKデータベース」より