佐藤一 著
松本清張の『日本の黒い霧』は一九六〇年の雑誌掲載時から大きな反響を呼びその影響は今日にまで及んでいる。事実、下山事件や朝鮮戦争をめぐる新刊は今日に至るもなお刊行されている。確かに、清張のこの本を読むと、なんとなく米国のそういう陰謀があったのか、と思わされてしまうが、突きつめていくと、まったく違う現実が浮かび上がってくる。松川事件で死刑判決を受けた著者が、松本清張の作り上げた虚構をつぎつぎと引き剥がしていく。
「BOOKデータベース」より
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