国家と犠牲

高橋哲哉 著

戦没者を「尊い犠牲」として顕彰することで、悲惨な実態を覆い隠し、国民を新たな戦争に向けて鼓舞する。これこそが、国家の本質に関わる重要な課題ではないか。近代西欧の思想書・歴史書から自衛隊のイラク派兵問題、そして靖国問題まで、様々な言説に共通する国民動員の巧妙なレトリックを分析し、"犠牲=サクリファイスの論理"を乗り越える方途をさぐる。この国の現状を批判的に検証する試みであると同時に、犀利な思考に基づいた、野心的な国家論でもある。

「BOOKデータベース」より

[目次]

  • 1 「犠牲」の論理とレトリック(靖国と「ホロコースト」-何のための「尊い犠牲」か
  • 「英霊」顕彰の過去・現在・未来
  • ヒロシマ・ナガサキと「尊い犠牲」-抹消される責任への問い
  • 「戦死者の大祭典を!」-国民動員のレトリック)
  • 2 国民・犠牲・宗教-「祖国のために死ぬこと」の歴史(犠牲に結ばれた「国民」-フィヒテとルナン
  • 哀悼と忘却の共同体
  • 神話化される戦争体験-近代ヨーロッパの「英霊」顕彰
  • <真の犠牲>から<堕落した犠牲>へ-カントロヴィッチの場合
  • 英霊の血とキリストの血-「殉国即殉教」という論理)
  • 3 「犠牲の論理」は超えられるか(「正戦」と犠牲-ウォルツァーの場合
  • 抵抗と顕彰-韓国の英霊
  • デリダと「絶対的犠牲」)

「BOOKデータベース」より

この本の情報

書名 国家と犠牲
著作者等 高橋 哲哉
書名ヨミ コッカ ト ギセイ
シリーズ名 NHKブックス 1036
出版元 日本放送出版協会
刊行年月 2005.8
ページ数 238p
大きさ 19cm
ISBN 4140910364
NCID BA73149665
※クリックでCiNii Booksを表示
全国書誌番号
20857698
※クリックで国立国会図書館サーチを表示
言語 日本語
出版国 日本
この本を: 
このエントリーをはてなブックマークに追加

このページを印刷

外部サイトで検索

この本と繋がる本を検索

ウィキペディアから連想