著者は20世紀フランスを代表する美術史家。師マール、弟子バルトルシャイティス、シャステルらとともに、普遍主義的美術史の学統を担った。かたちは生きている。常に変容の可能性をはらみ、多様に現象する。芸術作品を取り囲むさまざまな要因、すなわち空間や素材、時間、様式もまた、変化に対して開かれた生ける存在である。かたちが生命を持つということは、それが自由であろうと望むことにほかならない。本書は、かたちを生み出し変化させる関係と環境の全体をしなやかで強靱な思考の網にかけ、"自由"を漁ろうとする試みである。貴重な証言「石の言葉」を併載する、待望の新訳増補決定版。
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