われわれの日常生活の多くは経済的意思決定に基づいて営まれている。ところで経済行動とは一体どういうものなのだろうか。確認の方法としては経済理論に基づくものもあれば、法律や制度、規則や慣習によってとらえることもできる。しかし、経済現象は優れて数量的な側面をもっているから客観的な統計データとしてとらえることが考えられる。もちろん経済現象のすべてが統計データとしてとらえられるわけではないが、その本質的な特徴はかなりの程度まで数量的にとらえられるであろう。本書は経済現象を統計データによって解明することがどの程度まで可能か、またそのやり方にどれだけの意味があり、その信頼性がどのくらいあるか、そして経済分析をする上でどのような役割を果たすかについて考えようとするものである。
「BOOKデータベース」より