美貌の妖婦グウィルト嬢は、狙いどおりアランを虜としたかに見えた。ところが、嫉妬に狂ったミルロイ夫人の策謀によってアランはグウィルト嬢の正体に疑問をもつ。一方、ミッドウィンターは排すべき宿命の敵と予感しながら、グウィルト嬢への断ち切れぬ恋情に苦悩し、そして彼女もまた、そんな彼に心惹かれはじめる。グウィルト嬢の正体を暴くべく明晰な頭脳を働かせる弁護士、妖婦への恋に溺れる老人、アランに一途な恋をする娘…。様々な人物たちの思惑が絡みつつ、物語は思わぬ方向へ動いていく-コリンズ最盛期の傑作、いよいよ佳境に。
「BOOKデータベース」より