魔王  上

ミシェル・トゥルニエ [著] ; 植田祐次 訳

「1938年1月3日。あんたは人食い鬼よ、ラシェルはときどきおれにこう言ったものだ。人食い鬼だと?つまり太古の闇から立ち現れる妖怪だと言うのか?なるほど、おれは自分の魔性を信じる。言ってみれば、深いところでおれの個人的運命を事物の流れにまき込み、そいつがおれの運命を自分の方向に傾斜させるのを可能にする、あのひそやかな黙約のようなものをおれは信じているのだ。」近視の大男、パリでガレージを営むアベル・ティフォージュは左手の=不吉な手記をこう始めた。子供たちの姿や声を収集する孤独なティフォージュは、ある日少女暴行の嫌疑をかけられ拘留される。彼が釈放されたのは、奇妙な戦争の開始のおかげであった。そして次々に符合する運命のしるしが主人公を思いもよらぬ世界に運んでいく…。

「BOOKデータベース」より

この本の情報

書名 魔王
著作者等 Tournier, Michel
植田 祐次
トゥルニエ ミシェル
書名ヨミ マオウ
書名別名 Le roi des Aulnes
シリーズ名 Lettres
巻冊次
出版元 みすず書房
刊行年月 2001.7
ページ数 238p
大きさ 20cm
ISBN 4622048086
NCID BA52909410
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全国書誌番号
20179016
※クリックで国立国会図書館サーチを表示
言語 日本語
原文言語 フランス語
出版国 日本
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