大隅和雄 著
本書が扱うのは、親鸞聖人の手紙や『平家物語』などの「声の記録」だ。その当時、文字を知らない大多数の民衆には「声」によって文化や思想が伝えられていた。親鸞聖人が遠隔地の弟子に向けて語りかけるように書いた、情感溢れる手紙を読み解き、当時の知識人と民衆の関係性を鮮やかに描き出す。また、同時期に成立した『平家物語』にも触れ、「声」が「文字」として書き留められることで成立した中世文化の誕生の背景を解き明かす。日本中世史学の泰斗による、研究の集大成となる一冊。
「BOOKデータベース」より
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