昭和の大名人、六代目三遊亭圓生が軽妙な語り口で魅せる随筆集。噺家や落語ファンだけでなく、せわしない現代を生きる人々にも多くのヒントを与えてくれる良質の伝書。五十八編、四部構成。芸に対する心構えを説き、落語の歴史や寄席への思いを語る。また同時代を過ごした芸人たちを振り返り、食や着物の着こなしにおける自説を述べる。「世の中ソロバン勘定だけではつまらないものになる」「我慢するってえことがいかに大切か」「イキとヤボは紙一重」。時に優しく時に厳しい言葉で紡がれる貴重な提言の数々。明治、大正、昭和。日本の古き良き大衆文化を体感できる一冊。
「BOOKデータベース」より