本書の構成は、大きく分けて4つの部分からなっている。第1部では、援助の形態、援助手段となる心理療法の諸概念を詳述する。第2部では、心理学的な援助の代表的立場を述べている。第3部では、人生において困難を伴うことの多い体験を取り上げ、体験者のパーソナリティや置かれた状況による心理的適応の違いについて解説した適応編を受けて、上記のような体験に心理的に適応できなくなった人々に対し、周囲の人間はどのように援助できるかについて解説する。最後に、第4部では、援助が行われる領域ごとに特徴的な援助のあり方をまとめている。心理臨床場面において必要となる基礎的知識を網羅し、幹となる重要なポイントを押さえて、事例を用いながらわかりやすく解説する。臨床心理学専攻の学生のみならず、医療・福祉・教育等の現場に携わる人々にも好適な書である。
「BOOKデータベース」より