あの日、自分がまだ子どもだった頃、同じような風景を見ていたような気がするのは、なぜだろう。遠藤周作や大江健三郎が絶賛した小説「夏の花」の作家が、原爆投下以前の広島の幼年時代を追憶する、美しく切ない短編小説集-。広島・被爆70年という歴史の節目に話題になった、同地出身の詩人・小説家、原民喜(1905〜1951)の文学を「新版」として紹介します。原爆投下直後の広島の惨状を描いた名作で「夏の花」で知られる作家・原民喜。戦後、自ら命を絶つ前に、作家自身によって編まれた短編小説の連作「幼年画」を単行本化しました。古書・蟲文庫の店主でエッセイストの田中美穂の解説を付し、原民喜の知られざる初期作品に新しい光をあてます。
「BOOKデータベース」より