世間体を重んじる父に勘当されたフランクは借金を重ねて獄中の人となり、出所後は絵筆で怪しい生計を立てる。そして一目惚れの甘美な初恋はまたまた人生の裏街道へと彼を導いていく。(『ならず者の一生』)名うての悪女ナローナ伯爵夫人は財産目当てでウェストウィック卿と再婚するが、卿のかつての婚約者アグネスを一目見た彼女は自分がこの無邪気な女性によって裁きを受ける運命にあるという妄想に取り憑かれる。(『幽霊ホテル』)ユーモラスで軽快なピカレスクロマン、ヴェネツィアのホテルを舞台にした幽霊譚の二編を収録。
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