本書は商法の入門書である。商法の全体を、企業組織の法・企業活動の法・企業取引決済の法との三部に分けたうえで、複雑な現代企業の組織活動の実態とも関連せしめて、内容が平板におちいらないよう注意し、会社法の領域における最近の相次ぐ改正はもとより、こんにち理論上、実務上問題とされ、改正意見もみられるような諸点についても、その概要を脚注形式でふれることとし、判例の動向を把握して、講義や演習にこれをとり入れる機運がたかまっている現状に即するよう、リーディング・ケースと思われる最少限度の判例を「参照判例」として掲げ、読者の便に資するように配慮している。
「BOOKデータベース」より