この話は世界にひろく分布していて、そのルーツをめぐる研究が世界の学者たちによって長いあいだおこなわれてきました。本書ではフランスのペローの再話をもとにしています。ここでは名づけ親の妖精が美しい姿に変身させてくれます。フランスの17、18世紀は、絶対王制のもと、宮廷文化はなやかな時代でした。そして、主として女流作家たちが、妖精の登場する宮廷風の文学を書いていました。ペローはそういう時代の風潮のなかで、「サンドリヨン」を再話したのです。かぼちゃの馬車、ねずみの御者もこの時代のおとぎ話にふさわしい小道具として考案されたものでした。
「BOOKデータベース」より