本書は固体物理に関心をもつ大学院生や研究者向けに書かれたもので、電荷密度波とスピン密度波という二つの金属の対称性破壊の典型的タイプについての理論的、実験的現状を紹介する。これらは低次元金属において電子‐フォノンと電子‐電子相互作用の結果、生じたものである。低次元電子ガスや、非等方性物質の基本的な概観から始めて、相転移の平均場近似を第二量子化を用いて、また、相転移や基底状態に関する実験事実を記述する。ついでギンツブルグ‐ランダウ理論を用いてゆらぎの効果や集団励起を解説する。格子や不純物とこれらの状態の相互作用、最後に、外部摂動に対する基底状態の応答について述べる。
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