まばゆくきらめくマンハッタンの夜景を見おろす、すばらしいペントハウスでの豪華なパーティ。まるで別世界だわ。芸術学校の苦学生ケイティは思った。今夜の連れである自信家の会計士の泥酔ぶりにうんざりしていた彼女を救ってくれたのは、上質なタキシードを着こなした印象的な男性。しかし、いかにも世なれた感じの華やかな女性が割りこんできて彼にキスするのを見て、ケイティはその場を走り去ってしまう。結局、あの人もただの都会のプレイボーイだったのね。まるで、現代のニューヨークに現れた騎士のようだったのに…。やがて、忘れがたい思いを抱いたまま、休暇で故郷に向かうケイティを、運命の偶然が待ちかまえていた。
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