長年の夢だったティールームの開店が決まった日、ドナはお祝いをするために、あるホテルのレストランを訪れた。昔、ドナはここでメイドとして働いていて、社長のマーカスと恋に落ちた。だが、些細な誤解からみじめな形で捨てられ、彼女はこの町を去ったのだ。それからドナは、マーカスを見返そうと必死になって働いた。私はもうあのころとは違う。立派な大人の女性だ。ドナが自分も彼のレストランと同じ通りに店を出すことを宣言すると、昔と変わらず魅力的なマーカスは、冷静な口調で言った。「君は、もう一度僕に会いたかったんじゃないか」ドナは急に不安になった。私はどうかしていたのかもしれない-いまだ思いを断ちきれずにいる男性のもとに舞い戻るなんて。燃え尽きたはずの情熱の炎にたちまちのみこまれたヒロインを待ち受けていた、皮肉なめぐりあわせとは?!
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