新自由主義が台頭し、経済のグローバル化が進展するなか、政治的シニシズムが蔓延し始めている。こうした状況下で、新たな「政治的想像力」はいかにして可能か。本書はグラムシの思想のほか、ラカン、デリダといったポスト構造主義を摂取し、階級や革命的主体概念に依拠する古典的マルクス主義を脱構築、新たなヘゲモニー概念を提起したポスト・マルクス主義の記念碑的著作だ。反核運動や性的マイノリティ、フェミニズム、エコロジー運動など新しい社会運動と労働闘争との「節合」が必要と説く本書は、「ラディカルで複数的なデモクラシー」を構想するための必読書である。最新第2版の新訳。
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