著者は、X線結晶学を用いて初めて二つのタンパク質、ヘモグロビンとミオグロビンの構造を明らかにした功績により、John Kendrewとともに1962年のノーベル化学賞を受賞した。現在300以上のタンパク質の構造が原子レベルで解明されているが、この道を切り開いたのがPerutz博士である。しかし、この膨大な知識を実用に供しうるものだろうか。医学の研究や臨床に何らかに影響を与えたのだろうか。待望の本書で、著者はこれらの疑明に答え、生体高分子の構造がどのようにして解明されるか、X線結晶学の研究がいかに病因に対する新しい洞察を与え、新しい治療法への道を開いたかを説明している。
「BOOKデータベース」より