対人恐怖は青年期において自覚されることの非常に多い問題である。また、日本人に顕著であることから、日本文化の影響を受けた問題としても注目されてきた。これまで対人関係に対するアプローチは、森田療法など主に治療の面からのものがよく知られている。しかし、本書は、そうした病としての側面とは別に、対人恐怖に悩むことそのものが、青年期に属す者にとって自分自身を見つめ直すきっかけともなりうることを明らかにしていく。これまでの研究の紹介から著者自身の臨床場面まで、対人恐怖の心理を知るひとつの手がかりとなる書である。
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