西洋近代の政治思想は自由主義とともに始まり、自由主義をめぐって展開してきたともいえる。一貫して自由主義の理論的基礎付けに関心を寄せてきた著者は、近代自由主義がどのように形成され、数々の試練にさらされながらどのように成長を遂げてきたのかを明らかにしつつ、自由主義の哲学的根拠を探究し、現代における自由主義の可能性を問うていく。本書は、ソ連・東欧の共産主義が崩壊した今日においてこそ求められている、自由主義への真摯な理論的反省の書であると同時に、政治思想史・政治哲学への格好の入門書ともなっている。
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