建築では、西欧の建築文明との出会いは、幕末の洋式工場や明治の西洋館からはじまる。煉瓦の時代から鉄とコンクリートの時代へ、広大な空間と高層の骨組みを可能とした材料と工法の変遷を軸に、独自の耐震構造理論や様式習熟の歩みなど建築の近代の多様な展開をたどる。土木では、近代社会の産業と交通の要である鉄道をとおすための橋やトンネルを造る技術として土木100年の歴史は幕を開けた。ダムや治水、臨海工業地帯の開発など険しい山と海に囲まれた日本の自然との闘いに打ち克ち、世界に肩を並べるまでに成長した土木施工技術の歩み。
「BOOKデータベース」より