この芝居はまず頭で楽しんで、それからゆっくりと心で楽しむ芝居である。例えば言葉のパズルを解きながら、それが心のパズルへとつながっていくというふうに。不倫の愛という今はやりのありふれた題材を、ストッパードは極めて独創的な方法で展開させる。劇中劇の中での不倫とその劇を書いた劇作家の実生活で起こる不倫、いく組もの男と女の関係に虚構と現実を重ね合せ、現代人の心の渇きを浮かび上がらせていく。ほんものの感情とは、ほんものの言葉とは、ほんものの愛とは、そしてほんものの人生とは…。1984年トニー賞5部門独占のラブ・コメディ。
「BOOKデータベース」より