石ははるかな昔から人間にとって興味深いものでした。古代人は、深い考えもなく石を拾い、使用し、そして捨て去りました。しかしながら、経験を重ねることによって、ついには耐久性があり容易に鋭利になる石を、武器や道具として使用することを覚えたのです。また、さまざまな飾りとして用いるために、美しい石あるいは珍しい石を選ぶようになりました。美しい石には、特に好奇心をそそられたに違いありません。なぜ、赤や紫、オレンジ、黒、白、時には多くの色が混ざっている色が存在するのでしょうか。なぜ、鈍く濁っている色と光沢があり輝いている石があるのでしょうか。なぜ、硬い石と軟らかい石が、また重い石と軽い石があるのでしょうか。そしてこのような現象はいったい何を意味しているのでしょうか。好奇心から生じた多くの想像はなんどもくり返されて、最後は伝説となりました。
「BOOKデータベース」より