ルネサンス最大の人文主義者、ロッテルダム出身のエラスムス(1466頃‐1536)。最初の宗教改革者として、カトリック教会の制度を批判し、聖書の校訂を行い、古代文献の紹介によって、信仰の内面化に道を開いた。その後ルターが宗教改革を唱えて勢力を伸ばした際は、カトリックそしてプロテスタントいずれにも組せず、自由な思考を貫いた。ナチスの影がヨーロッパを覆い始めた時期に、ツヴァイクのヒューマニスティックな思想を開陳する評伝。他に「世界大戦中の発言」として五篇の論文、講演「ヨーロッパ思想の歴史的発展」を収める。
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