1542年、生後6日にしてスコットランド女王となったメリー・スチュアート。58年フランス皇太子と結婚、翌年フランス王妃となり、61年夫の早世により帰国。以後混乱を極めた政治情勢のなかで母国を親政する。新教支持から再婚を機に旧教徒へ、数年後には夫の暗殺者と結婚。反対勢力により監禁、脱獄してイングランドへ。エリザベス女王廃位の陰謀荷担の疑いで監禁、19年間幽閉後、女王暗殺事件陰謀者と内通していたとして処刑される。ヒトラー政権成立後、ロンドンに亡命中のツヴァイクが、たまたまメリー・スチュアートに関する歴史的記録を読んで興味をおぼえ、書きあげた作品である。
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